離婚したいのに、動けない

「離婚したい」
そう思いながらも、
迷いすぎてどうしていいのか分からない人。
意思は固まっているのに、動き出せない人。
離婚に限らず、今の生活を変えたいのに、
一歩踏み出せずにいる人。
そんな人は少なくないと思う。
私自身も、10年間家庭内別居を続けながら、
離婚したいと思いつつ動けなかった。
「子どもが大きくなったら」
「お金が貯まったら」
「もう少し落ち着いたら」
そうやって先延ばしにしているうちに、気づけば何年も過ぎていた。
なぜ、離婚したいのに動けないのか
嫌いだから、もう無理だから、すぐ離婚したい。
そう思っていても、現実はそんなに単純ではない。
生活のこと
子どものこと
お金のこと
親のこと
世間体
色々なものが絡み合って、簡単には動けない。
長い時間悩み続けると、
自分の気持ちすら分からなくなってくる。
本当はどうしたいのか
我慢したいのか
変わりたいのか
考えすぎて、何も決められなくなってしまう。
私もそうだった。
離婚するのか、なにもしないのか
離婚することが正解ではないし、
夫婦関係を続けることが正解でもない。
自分がどうしたいのか、
その気持ちだけは置き去りにしないでほしい。
そう思うようになったのは、
大切な友人の存在があったからだ。
友人が教えてくれたこと

私の大切な友人も、
長い間夫婦関係に悩み抜いた末に
思い切って別居にまで踏み切り
シングル生活を謳歌していた。
「絶対に離婚する」そう何度も話していた。
友人は別居もしていて
離婚すると決めているのに、
離婚に踏み切ることはなかった。
別居から一年以上経過しても離婚に進まない。
「もしかして、ご主人とやり直したいの?」
「そんな訳ない(笑)」と笑い飛ばされた。
「夫から離婚したいって言い出すのを待ってる」
「なんで?」
「向こうから言い出す訳ないと思うよ?
戻ってきてほしいと思ってるでしょ?」
そんな会話を何度繰り返しただろう。
その本当の理由は、今となっては分からない。
ただ、離婚する気持ちだけは本当だったよう。
「来年の1月に離婚する」

なぜか友人の占いに付き合うこととなったが、
占い結果はほとんど覚えていない。
ただひとつ、はっきり覚えていること
離婚するなら来年の1月頃が良い。
「まりちゃん、私、来年の1月に離婚できるように頑張る」
もしかしたら、
別居しながらも
離婚というハードルを超えることの
不安や恐怖があったのかもしれない。
それなのに、
それから2週間後、
友人は突然旅立ってしまった。
原因はくも膜下出血だった。
さっきまで普通に話していた人が
一瞬でいなくなってしまう。
そんな現実があるなんて思いもしなかった。
人生には「いつか」が来るとは限らない
来年の1月は来なかった。
友人が楽しみにしていた独身に戻った未来も来なかった。
私は10年も離婚を先延ばしにしていたから、
友人の気持ちはよく分かる。
離婚は怖い
生活も変わる
お金の問題もある
だから簡単には決められない
それでも思う。
自分がどう生きたいのか。
その気持ちを後回しにし続けることの方が、
もったいないのかもしれない。
最後に

「今、飲み会だから後で連絡するよ」
「このワイン、すごく美味しいから今度飲もうね」
あの日の何気ないやり取りが、
友人との最後のLINEになるなんて、
夢にも思わなかった。
その翌朝のLINEは永遠に既読にならなかった。
人生は、本当に何が起こるか分からない。
自分の状況に一番驚いているのは、
友人自身かもしれない。
だから私は、自分の人生を後回しにしない。
「いつか」を当たり前だと思わないこと、
それが、
友人が最期に残してくれたものだと思っている。
私自身も長年、
「退職したい」と思いながら決断できなかった。
離婚とは全く違う話に見えるかもしれない。
けれど、私の中では同じだった。
このままでいいのか?本当はどう生きたいのか?
見えない未来に不安を感じていた。
友人のことがあってから、
人生について考えることが多くなった。
人生は思っているほど長くない。
迷うことはあってもいい、
立ち止まることもあっていい、
自分の人生だけは後回しにしたくない。
自分の人生を後回しにしないために、
私は33年勤めた会社を退職した。
長年の迷いを吹っ切って決断できたこと、
一歩踏み出したことに満足している。
離婚するのかしないのか?
退職するのかしないのか?
選択そのものが大事なのではなく、
自分がどう生きたいのかを見失わないこと。
友人が教えてくれたのは、
「いつか」を当たり前だと思わないこと。
当たり前だけど、
忘れがちなことだった。

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