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息子の学資保険が消えた
息子名義の学資保険の満期金、92万円が入っていたゆうちょ銀行の通帳。それが、ある日突然ATMで「取引不可」と表示された。何かの間違いかと思い何度か試したが、結果は同じだった。
通帳の磁気不良かと思い、ゆうちょ銀行の窓口へ向かった。すると、窓口の方から思いもよらない説明を受けた。
「○月○日に、通帳名義人のご主人が解約し、全額を新しい通帳へ振り込んでいます。」
一瞬、何を言われているのか分からなかった。頭が追いつかず、もう一度同じ説明をお願いした。
なぜ?この通帳は私が手元で保管していた。キャッシュカードも作っていない。それなのに、勝手に規約され、残高はすべて消えていた。
この92万円は、息子のために積み立てた学資保険の満期金から、必要なものを購入しながら残していたお金だった。

「なんで俺が払わないといかんのだ」
実は、この学資保険が、満期になる10年ほど前、私は元夫に学資保険の積立金を負担してほしいと頼んだことがあった。
返ってきた言葉は、
「なんで俺が払わないといかんのだ!」
子どものための学資保険なのに、そんな言葉が返ってきた。そういう返答ができるんだ?親としてどう考えているんだろう?私にはその価値観が理解できない。
頼っても仕方がないと思い、それ以降は私の収入から積み立てることにした。娘の学資保険もあったため、二人分をずっと私が支払ってきた。
そして迎えた満期。息子の大学生活で必要なものを、そのお金から少しずつ支払っていた。
その残り92万円が、ある日突然なくなった。
後から分かったことだが、息子の大学関係で新しくゆうちょ銀行の通帳を作る必要があったらしい。
ゆうちょ銀行では同一名義の通帳を複数持てないため、元夫は私が保管していた通帳を解約し、新しい通帳へ残高を移していた。元夫の本人名義であるため、手元に通帳がなくても、身分証などがあれば解約できてしまう。
さっさと自分名義の通帳に移しておくべきだった、まさかこんなことが起こり得るなんて。思いもしなかった。
白紙に書いた要求

当時は家庭内別居がかなり深刻で、直接話し合える状態ではなかった。私は白紙に用件を書き、元夫の部屋のドアの隙間から差し込んだ。
「必要なお金だから返してください。」
「あなたが積立を拒否した学資保険です。私の収入から積み立てました。」
「盗んだお金を返してください。」
そんな内容だった。何度差し込んでも徹底的に無視された。最後には部屋のドアへ貼り付けた。数日後に、一枚の紙が私の部屋へ差し込まれていた。
そこには、ゆうちょ銀行で起きた経緯と、
「盗んだわけではない」とだけ書かれていた。
盗んだわけではないというのなら、お金を返してほしかった。
盗んだわけでもないのに、一円も返ってこなかった。返してほしいと何度も訴えたが、返事があったのはその一度だけだった。
元夫も、私に言いたいことがある時は同じように紙を部屋へ差し込んできた。
犬の鳴き声がうるさい。
水道の使い方へのお小言。
電気のつけっぱなしへのお小言。
ほとんどがお小言だったので、私はすべて無視していた。逆に、私が紙を差し込んだのは、この92万円を返してほしいと伝えた時だけだった。
どんな状況であれ、よほどでない限り元夫とコンタクト取りたくはなかった。
離婚時の調停で主張したが、返ってこなかった
調停でも返金を求めた。元夫の返答は、
「妻は信用できない人間なので返せない。」
信用できるかどうかと、返すべきお金を返さないことは別の話。結局、この92万円は一円も返ってこなかった。納得できないが、92万円ごときに女々しく考えるのはやめて、自分が稼げばいい。そう切り替えた。
……とは言っても。
万が一、奇跡が起きて92万円が返ってきたら?ヨーロッパ旅行にするか、韓国美容に全部つぎ込むか。
そんなことを妄想してみる。
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