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深刻なLINE
飲み仲間から、珍しく深刻さを感じるLINEが届いた。
「ちょっと話を聞いてほしい。」
いつもの飲みの誘いとは雰囲気が違う。何かあったんだろうなと思い、会社帰りに地下鉄の駅まで迎えに行った。
駅の出入り口で待っていた彼は、神妙な面持ちで、ほとんど笑わない。助手席に乗り込んだ彼は纏うオーラがどんよりと重い。
「どうした?何があった?」
夫婦問題で色々あったらしい。
「静かなところで話したい。」
そう言われ、そのまま自宅へ向かった。何度か自宅へ遊びにきた事はあるので、慣れた場所で落ち着いて話せると思う。
飲みながら話す?と思って準備を始めたが、「何もなくていいから、ゆっくり話したい」と言う。そこで、豆腐に塩昆布とごま油をかけただけの簡単なおつまみを用意し、アルコールではなく冷たいお茶を入れた。
話の内容は書けないが、夫婦問題でかなり苦しんでいた。私は何かアドバイスをするわけでもなく、ただ黙って話を聞いていた。

止まない雨はない
話を聞いているうちに、なんとなく私の離婚の話になった。私が元夫から逃げてくる前の段階からの話をしているので、ある程度のことは話しているが、この離婚調停のことは話していなかった。
調停をしていること。
それなのに、何も進まないこと。
元夫からのあり得ない攻撃が続いていること。
「これ、いつまで続くんだろう。」
「離婚できなかったらどうなるんだろう。」
そんな不安を、ぽつりぽつりと話していると、
「止まない雨はない。この状況が、いつまでも続くわけじゃないからね。」
彼のその言葉が、不思議なくらい心に響いた。
何か特別なことを言われたわけじゃない。たったその一言で肩の力が抜けた。
妙に納得できた。そっか。終わりが見えないだけで、終わらないわけじゃない。
私は一人で勝手に、「この苦しみはずっと続くのかもしれない」と思い込んでいた。
『止まない雨はない』
たったそれだけの言葉が、あの頃の私を救ってくれた。

本人は覚えていなかった(笑)
彼の夫婦問題もなんとか落ち着いて、私の離婚問題も解決した頃、
「あの時の『止まない雨はない』って言葉、本当に救われたんだよ。」
そう伝えると、返ってきたのはまさかの一言。
「え?そんなこと言った?」
覚えてないんかーい(笑)
さらに、その時は私も彼に何か話をしていたらしい。私は私で、何を話したのか全く覚えていない(笑)お互い様だった。
今でも、たまに思い出す。本当になんでもない言葉なのに。『止まない雨はない』あの夜のあの一言が、あの頃の私を支えてくれていた。
今でも、豆腐に塩昆布とごま油を食べると、あの夜の景色がふっと浮かぶ。
何気ない一皿なのに、不思議とあの日に戻れる。
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