離婚届を提出した日、ようやく元夫と他人になれた|離婚調停体験談 Vol.34

離婚調停

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人生で一番重い離婚届

調停成立から一週間ほど経って、裁判所から書類が届いた。その書類を持って、離婚届提出のために、婚姻期間中に住んでいた役所へ向かった。

その日も有休を使って出向いたが、調停に行く時とは気分が全く違う。調停に向かう時は、無駄に有休を使わなくてはいけない憤り。この日は、正真正銘、元夫と決別できる。有意義な有休の使い方だった。

離婚届を提出するだけだから、すぐ終わるだろうと思っていたのに、意外と時間がかかった。何回か呼び出されて、何かを聞かれてということを繰り返し、結構時間がかかったと記憶している。役所自体が、いつもより混んでいた影響もあるかもしれない。

協議離婚とは違い、裁判所の書類が関係するため、確認事項が多かったのかもしれない。

元夫の家から逃げる前に提出していた「離婚届不受理申出」の取り消しも、その場で手続きをした。こちらは一筆書くだけで終わった記憶がある。

そして、その日をもって、24年間続いた婚姻生活は、本当に終わった。

どう表現していいのか分からないが、感慨深かった。法律の上でも、ようやく元夫とは他人になれた。

元夫の家を出てから一年半以上が経っていた。生活はすっかり落ち着いていた。家を出れば、家賃も光熱費も自分で負担しなければならない。普通に考えれば、生活は苦しくなる。

元夫と暮らしていた頃は、顔を合わせたくなくて、休日になると毎週のように遠出をしたり、ホテルに泊まったりしていた。家にいたくない。その一心で、気づかないうちにお金を使っていた。

家を出て生活が落ち着くと、そうした無駄な出費はなくなった。コロナ禍で収入は減っていたにもかかわらず、給料から残せるお金は、以前よりかなり増えていた。

今振り返ると、一番お金がかかっていたのは、元夫と暮らしていたことだったのかもしれない。精神的なストレスは、お金まで奪われていたのだと、離れて初めて気づいた。

この日の私は、ただただ清々しかった。「やっと終わった。」その思いだけだった。

新しい戸籍を作ることになった

離婚後、私は新しい戸籍を作ることにした。離婚後は、婚姻時に姓名を変えた側が、実家の戸籍に戻るか、自分を筆頭者として新しい戸籍を作る必要がある。

当時住んでいたのは、賃貸アパートだったので実家に置いた。両親の戸籍に戻るわけではなく、実家の住所を本籍地として、私が戸籍筆頭者となる新しい戸籍を作った。

子どもたちは成人していたので、そのまま元の戸籍に残った。親子なのに戸籍は別々になる。普段の生活で困ることは何もない。それでも、寂しさを感じたことを覚えている。

少し悔しい気持ちもあった。子どもたちが、そのまま元夫の戸籍に残ることに。

長女は就職した先の、配属先が私の家から近かったので一緒に住むことになった。その長女は、今は結婚し、元夫の戸籍からは抜けている。

24年間暮らした街との別れ

私は23歳から49歳まで、その街で暮らしてきた。人生の大半を、元夫の出身地であるその街で過ごした。元々は縁もゆかりもない土地だった。

この役所にお世話になることも、もうないだろう。
婚姻届を提出した日。
子どもたちの出生届を提出した日。
転居届を提出した日。
そして、離婚届を提出した日。
人生の始まりも節目も、この役所が見てきたんだなと思った。

人生の節目節目でお世話になった場所だった。「ここともお別れだね」そんなことを思いながら、少しセンチな気持ちになり、うるっときた。

離婚届を提出し、新しい戸籍を作ったことで、その地域との縁も一区切りついた。県外へ逃げるように家を出た私にとって、その街へ戻ることは、もうないだろうと思う。

離婚から数年経った今、たまにその地域を訪れることはある。「懐かしいな」そう思うことはあっても、寂しさはもうない。

戸籍は今もそのまま

本籍は、今も実家の住所のままだ。今住んでいるマンションへ転籍しようと思いながら、実家へ行くたびに役所の前を通る。

「そういえば、戸籍を移さないとな」毎回そう思いながら、「まぁ、また今度でいいか」と、そのまま通り過ぎてしまう。実際、戸籍がどこにあろうと、普段の生活で困ることはほとんどない。

一度だけ戸籍謄本が必要になり、今住んでいる区役所へ取りに行ったことがあった。こちらに戸籍はありませんと言われ、実家に戸籍を置いていたことをすっかり忘れていた。

このまま戸籍を移さなければならない機会があるとすれば、再婚するときなのかもしれない。

……そんな予定はない。今はそれで十分だ。戸籍も、このままでいいのだろう。実家の役所の前を通るたびに『またこんどでいいか』と思い続ける。それが自然だったし、そうなっているだけのこと。

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