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財産目録を提出したら、文句と指摘の嵐だった
私が先に財産目録を提出すると、これでもかというくらいに、元夫から文句と指摘が飛んできた。自分は財産目録を提出しないのに、よくこれだけ文句が言えるな?と呆れる。
銀行口座が少ない。預金残高が少なすぎる。楽天証券かSBI証券のどちらかがあるはずだ。退職金見込み額がない。外貨建て保険がない。車の査定額がない。
指摘が入るたびに、調停委員からは「資料を集めてください」「財産目録を修正してください」と言われる。
銀行に残高証明を取りに行く。保険会社の資料を探す。退職金見込み額を確認する。車の査定を取る。全部やるとなると意外と時間がかかる。次回の調停までに準備しなければならない。
その一方で、元夫は自分の財産目録を提出しない。私だけが資料を集め、財産目録を修正し、また新たな資料を提出する。
なぜ、私ばかりが一方的に動かされていたのか?その時は怒りと理不尽さしかなかった。それでも、言われれば資料を集め、修正しろと言われれば修正する。今思えば、長年の結婚生活の中で、元夫の要求に従うことが染みついていたのかもしれない。
指摘されたら、反論せずにはいられなかった

資料を提出して終わりではない。元夫から事実と違うことを書かれれば、それにも反論したくなる。指摘されたこと、文句を言われたこと一つ一つに反論する、事情を説明しなければならないと思っていた。
黙っていたら、相手の主張を認めたことになるのではないか。事実と違うことを、そのままにしておいたら、調停委員が信じてしまうのではないか。そんな不安があった。
だから、一つひとつ反論書面に書いた。
この口座はこういう理由で残高が少ない。この出金は何に使った。この保険はこういう契約内容である。この主張は事実と違う。この指摘にはこういう事情がある。元夫からの指摘が多ければ多いほど、こちらの反論も増えていく。当然、反論書面はどんどん長くなった。
ネットで書き方を調べながら、一人で作った
法律に素人である私は、このような主張書面だとか、反論書面を作ったことなどない。そんな知識もなければ経験もない。主張書面とは何を書くものなのか。反論書面はどう書けばいいのか。どんな形式にすればいいのか。全く分からなかった。
ネットで検索すると、お役所関係や裁判関係の書類は、文章をずらっと書き連ねているものが多い。「改行がなく読みにくい形式だな」そう思いながら、見よう見まねでWordを開き一から作った。
伝わりやすく、自分の言いたいことも書きたい。事実関係も間違えないように書く。一度書いて、読み返す。「ここは分かりにくいな」書き直す。「この表現は直接的すぎるか」表現を変え「うーん、これは絶対に言いたい」と、また戻す。そんなことを繰り返していた。
仕事から帰宅し、夕食を済ませてからパソコンに向かう。元夫から届いた書面を読むと腹が立つ。感情を揺さぶられる。気分が落ち込む。その気持ちを奮い立たせながら、反論を書く。また読み返す。
夜な夜な、眠気と闘いながら少しずつ書き進めた。思いつくままに書けば、とんでもない長さになる。それでも一応、自分なりに短くしていた。
「これはなくても伝わる」「ここは同じことを書いている」「この部分はまとめよう」何度も読み返し、推敲を重ねたのに、完成した反論書面は、A4で9枚になっていた。
「過去にこんな長い大作は初めてです」
次の調停で、9枚の反論書面を読んだ調停委員から、「大作の資料作成、お疲れ様です。こんなに長いと読むのが大変です。過去にこんなに長い大作を提出してきた人は初めてです」
電話の向こうで、半分笑っている。「すみません。書きたいことが多すぎて」私も笑いながら返した。その時は、大作と言われてもね。仕方ないよね?あっちの文句と指摘が多いんだから。それに、読むのも調停委員の仕事でしょ?そんなことを思っていた。
私にそんな注意をする前に、元夫側に、一方的な文句と指摘が多すぎると、注意はしてくれていたのだろうか?
9枚も書いて、何か変わったのか?

その9枚の反論書面を提出したことで、調停が一気に進んだのか。何にも進んでいない…。
元夫が財産目録を提出していない以上、どれだけ私が反論を書き連ねても、肝心の財産分与の話は進まない。私が9枚書こうが、10枚書こうが、元夫の財産が開示されるわけではない。
事実と違うことを、そのままにしておけない。理不尽な主張を、黙って受け流せない。ちゃんと説明すれば、調停委員にも分かってもらえる。一言一句言い返さなければ、事実と違う方向で進んでいってしまうのではないか?そんなことを考えていた。
仕事から帰り、眠い目をこすりながら、何日もかけて9枚の反論書面を作った。今なら2枚に収める。
「そこは反論しなくていい」
「それは本筋と関係ない」
「相手の挑発に全部付き合う必要はない」
そうやって、誰かが一つひとつ整理してくれていたら、あれほど時間も気力も使わずに済んだのかもしれない。でも、あの頃の私に「そこまで書かなくていいよ」と言ってくれる人はいなかった。
弁護士がいたのにね。
今になって思うと、私の弁護士も調停委員も、あの9枚の反論書面を隅から隅まで読んでいたとは思えない。さらりと目を通されただけだったと思う。調停中、その書面に書いたとを話しても、初めて聞いたかのような反応が何回もあった。
何日もかけて書いた9枚。それでも調停は何も進まなかった。ただただ時間と気力を奪われ、徒労に終わった。
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