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開始数分で私のターンが回ってきた
何度調停を重ねても、元夫は財産目録を提出しない。調停のたびに私は資料を準備し、有休を取り、弁護士事務所へ向かう。そして毎回、私の財産目録への文句と指摘が続くだけで、肝心の財産分与の話は一向に進まない。
元夫がいつまで経っても財産を開示しない真意は分からない。今となっても、そこまで引き延ばした理由は分からない。
確か5回目あたりの調停だったと思う。いつもなら元夫側が30分話してから私のターンになるのに、その日は数分で回ってきた。
「今日もご主人が財産目録を提出しないので、話し合いができません。今日は、これで終了します。」
その一言で、この日の調停は終わった。
は?なに?私は弁護士と思わず顔を見合わせた。そんなことある?今日は何をしに来たんだ?大切な有休を使ってここまで来たのに。男性調停委員の声には、明らかに怒りがにじんでいた。
「どういうことですか?私はわざわざ会社を休んでここに来ているのに、困ります」と伝えたが、話し合うものがないのではどうしようもない。
それよりも、今までずっとそうだった。元々、公平に話し合う土台はなかったのに、今更なんだよ?もっと早くそうしてくれよ?そんな思いだった。
一刻も早く調停を終わらせたい私にとって、肩透かしを食らったような気持ちと、元夫への怒りが同時に湧いてきた。
どこまで自分勝手なんだろう。どこまで人の生活を邪魔するんだろう。自己中心的にもほどがある。怒りしかなかった。
また離婚が先延ばしになった

数分で終了した調停。帰り道、ただただ虚しかった。また離婚が先延ばしになった。資料を準備して、有休を取って、自転車を漕いでここまで来た。それが数分で終わった。
「この無駄な時間と、言われるがまま準備してきた資料は、一体なんだったんだろう?」ぼやーっと力なく自転車を漕ぎながら家路に着いた。
戸籍の上では、まだこの人の妻のままだ。紙の上の話とはいえ、一刻も早く縁を切りたい相手と、まだ繋がっている。その事実が、じわじわと重くのしかかってくる。単純に言えば、こんな奴と早く他人になりたい。それだけだった。
そもそも、なんのために私に財産開示請求をしてきたのか。昼逃げした直後から始まった財産開示請求から、すでに1年以上が経過している。「資料を集めるのに時間がかかっている」という言い訳が、これだけ時間が経っても通用するはずがない。
元夫は相変わらず、私には理解できない行動を繰り返していた。調停を申し立てておきながら財産目録を出さない。ごねたもん勝ちの世界なのか。強制力もなく、罰則もなく、何も進まない。この調停に意味があるのかと、改めて思わずにはいられなかった。
戦略だったのか、それとも単なる嫌がらせだったのか

今になって思うと、財産目録を出し渋ることが元夫側の戦略だったのかもしれない。相手を疲弊させる。引き延ばすことで有利な条件を引き出す。そういう意図があったのだろうか。
確かに私は疲弊していた。資料を集め、反論書面を作り、有休を取り、何度も調停へ足を運んだ。そういう意味では、相手の思惑通りだったのかもしれない。
ただ、疲弊していたことと、相手の主張を受け入れることは別だった。出せと言われた資料は律儀に提出していたが、理不尽な主張まで黙って受け入れていたわけではない。疲れ果てれば、そのうち大人しく折れるとでも思っていたのだろうか。もしそうなら、私のことを見誤っていたのだと思う。
今になっても、正直よく分からない(笑)元夫本人の考えだったのか、弁護士による策略なのか。どちらにしても、結果として有利になった場面は一度もなかったわけで、低能な戦略だったとしか言いようがない。
後から調停委員に聞いたところ、財産目録を提出するように毎回かなり強く伝えていたらしい。その怒りは、私のターンになった時の声にもにじみ出ていた。
ただ、どれだけ怒られようとも、元夫は財産目録を提出してこなかった。強制力のない調停という場では、提出しなくても罰則がない。
今振り返ると、相手がそこまで従わないのであれば、私も言われるがままに資料を集め、財産目録を何度も修正し続ける必要はなかったのかもしれない。
今の私なら、もう少し力を抜いていたと思う。相手が出さないなら、こちらも最低限で十分だった。当時はそんな発想すら持てなかったけれど。
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