提出した戸籍謄本が、そのまま残されていた|弁護士体験談 Vol.5

弁護士

⏩前回の記事はこちら

離婚調停を申し立てた方が早い

元夫側は私に財産開示を求めてくる。先に財産開示請求をしてきたのは元夫だから、そちらが先に開示すべきだと思う私。

双方が「先に開示するべきだ」と主張している状態だった。

そんな状況を打開するためにも、離婚調停を申し立てた方が早く進むとのことで、それに同意し、戸籍謄本も準備し弁護士に提出した。

弁護士からは、「申し立ての準備は整っています」

2週間ほどすれば家庭裁判所から書面が届くので、それを、元夫側と調停日の調整をしていく、
そんな流れだと聞いていた。
待っても待っても家庭裁判所からの書面は届かない。1か月以上経過している

弁護士に確認すると、コロナ禍で裁判所も手続きが遅れている。もう少し時間がかかるからと聞かされた。

実際のチャット履歴にも「申し立の準備は整っています」と残っている。申し立が行われていない可能性など疑いもしなかった。いつまで経っても家庭裁判所からの書面は届かない。

その後も定期的に確認の連絡を入れていた。不安は大きくなるばかりだったが、そんなものかと待つこととした。

月日が流れるうち、不安はふくらんでいくばかりだった。申し立てることで私が不利になるのではないか。元夫側を余計に刺激しているだけではないか。

「申し立てを取り下げた方がいいのでしょうか」「私が不利になることはないのでしょうか」チャットで送ってみる。既読になるが、返事は届かない。

2020年コロナ禍の真っ只中の孤独

外出もままならない、人にも会えない、一人で考える時間ばかりが増えていく、考えれば考えるほど、不安は大きくなる、

その間にも、元夫側からは私の財産を開示するようにと度々、連絡が来ていたらしい。
「らしい」というのは、そのやり取りがリアルタイムで私に共有されるわけでなく、定期的な相談の時に、後からその事実を聞かされていた。

双方が「そちらが先に開示するべきだ」と主張している状態だったが、実際、どのようなやり取りが
行われていたのか分からなかった。

弁護士が急病で入院することになった

事務員さんから、そう連絡を受けた。入院が少し長引きそうなので、案件は数か月間、休止状態になるという。一般的には困りそうなものなのに、その時の私は少しホッとして、ふと、胸を撫でおろした。

財産分与のことを考えなくていい。
元夫のことを思い出さなくていい。
先の見えない交渉について悩まなくていい久しぶりに心穏やかな時間だった。

例えていうなら、刑務所の閉ざされた世界から久々にシャバに出て明るい穏やかな空間に戻ってきた感じ!

知らんけど(笑)

不謹慎なのは承知だけど、「もう少しゆっくり入院していてね」そんなことを思っていた。

元夫から先に調停を申し立てられた

弁護士が退院したとの情報が届いたのかどうかも分からない頃、思いもよらない、衝撃の連絡が届いた!

「離婚調停が申し立てられました」
「え?なに?申し立られたって???」

すぐには理解できない。頭の中の整理が追いつかない。

それと同時に、動悸がする、呼吸が早まる。
「本当ですか」
震える声で、そう答えるのが精一杯だった。

提出した戸籍謄本は、そのまま残されていた

戸籍謄本も提出している。「準備は整っています」そう説明も受けている。

あれから、結構な月日が経過している。それなのに、調停を申し立てたのは元夫側だった。
なぜ?私の申し立てはどうなったの?元夫側はもっと前から準備していたの?
裁判所の管轄が違うから?コロナ禍で手続きが遅れているのでは?

弁護士事務所での相談時、驚く事実を知ることになる。

準備が進んでいると聞かされていた、調停申し立ては、行われていなかった。
提出した戸籍謄本も私のファ
イルの中にそのまま残されていた‥

なぜ申し立てが行われなかったのか?どこで止まってしまったのか?弁護士が忘れたの?事務員さんが勘違いしていた?
今となっては分からない。その時の私は、その理由を追及する気にすらならなかった。

そんなことよりも、元夫から離婚調停を申し立てられた今後、どうなっていくのか。
今まで以上にえげつない開示請求が届くのではないか。不安しかなかった。
「この弁護士、本当に大丈夫なのだろうか?」

元々抱いていた違和感は、この頃から少しずつ確信へと変わり始めていた。

⏩次の記事はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました