元夫は未提出なのに、今度は退職金見込額に文句が来た|離婚調停体験談 Vol.8

離婚調停

退職金が財産分与の対象になる可能性

財産目録を提出しない元夫から、今度は私の退職金見込額について文句が入った。

その前に少しだけ退職金の話をしておきたい。
当時の私は、退職金が財産分与の対象になるのかよく分かっていなかった。

私が財産目録を提出する前、退職金についていろいろ調べていた。
まだ退職金を受け取っているわけではないため、どう考えるのか?
解釈は色々あったが、確実に支払われることが決まっていれば婚姻期間に応じて分割するという解釈がほとんどだった。

私にも元夫にも将来的に支払われる可能性の高い退職金があった。
お互いに中小企業勤めで、退職金はそれほど多くない。しかも元夫は当時の勤務先へ中途入社だったため、勤続年数は私よりかなり短かった。記憶では14〜15年ほどだったと思う。
反対に私はその時点で、勤続28年だったので、私の方が見込額が多いことは容易に想像がつく。

「お互いに退職金があるのだから、それぞれの退職金はそれぞれのもの」

私は、それも解釈の一つだと考え、退職金見込額を提出しなかった。
そう思っていたが、元夫から退職金見込額の提出がないと指摘が入ったため調停委員から提出を求められた。提出を求められることに納得できなかった私は、裁判所へ電話をして確認した。

「地域によって運用や判断の傾向は多少異なりますが、こちらの管轄は、将来の退職金も財産分与対象として扱っています」

私にとっては嬉しくない情報だったが、致し方ない。管轄によって解釈が違うこともあるのか…?
ちょっと運が悪いな、そんなことを考えていた。

退職金の分割方法

まだ支払われていない将来の退職金であっても、一般的には、婚姻期間に対応する部分のみが対象となるため、以下のような考え方で計算されることが多い。

ちなみに計算式はこんな感じ
退職金見込額 × 婚姻期間 ÷ 勤続年数÷ 2

例えば、別居時の
退職金見込み額:500万円
婚姻期間:20年
勤続年数:30年として考えてみる。

500万円×20年÷30年=約330万円
330万円の半分、つまり165万円を相手に渡さなければいけない。

私は不本意ながらも、退職金見込額を提出した。
退職金見込額を提出しただけでは終わらない?

ほっと一息つく間のないまま、元夫の弁護士から反論書面が届いた。しつこいようだが、元夫はまだ、財産目録の提出はない。それなのに今度は、その退職金見込額にまで文句をつけてきた。

「社印が押されていないから信用できない」
「この金額には納得できない」
「妻のMarikoは人事部に勤務しているから偽造ができる」
「株式会社○○(私が勤めていた会社)に、信用調査を入れる」とまで言い出した。

あーーーーー、もうなんなんだろう????
この人たちはーーーーー

こんなマンガのような理不尽な話、本当にあるの?と思われるかもしれません。
私自身も当時は、「こんなことが本当に許されるの?」と何度も思った。

後になって知ったことだが、離婚調停や訴訟では、相手を精神的に揺さぶるような主張や、こちらが対応に追われるような要求を繰り返すケースも少なくないらしい。

私はそのたびに心を削られ、精神安定剤を飲まないと出勤できないほど追い詰められていた。

今振り返っても、
「こんな方法が成立していいのだろうか」
という疑問は消えない。

弁護士という職業柄、依頼人の利益を最優先に考える必要がある。それは理解できる。
ただ相手方の精神を揺さぶったり、追い詰めるようなことが許されるのか?
それが人として許されることなのか?
もう少し、まともな話し合いに持って行くことはできないのか?
数年経った今でも、その疑問は拭えず釈然としない。

私が人事部へ異動したのは、家庭内別居が始まった後のことであり、当時は県外の会社に通っていたし、元夫との関わりも一切ない。普通に考えれば、元夫がその事実を知る機会などどこにもないはずだった。
なぜ、私が人事部にいると知っていたのだろう。
個人年金の存在を把握されていた時も違和感を覚えたが、今度は人事異動まで把握されている。どこからその情報が漏れているのか、怒りよりも、なんとも言えない薄気味悪さが後に残った。

私は、他の社員からの依頼で、退職金見込額をお渡しすることもあったが、社印は押さない。他社の事情は知らないが、私が勤めていた会社では、見込額に社印を押すルールはなかった。
それに実際、退職時に本人へ渡す正式書類にも社印は押さない。社印を退職金として、この金額が必要ですと確認するための書類にしか社印押さない。

この退職金の件に関しては、元夫よりその弁護士の方が息巻いている様子が窺えたが、この件も無視することにした。

そもそも、まだ元夫の財産目録は提出されていない。

こちらは言われるままに資料を集め、
退職金見込額を提出し、追加資料も準備している。

それなのに、相手側からは次々と文句だけが届く。
財産分与の話をするための調停なのに、肝心の財産は開示されない。

この調停は、私が思っていたような「話し合いの場」ではないのかもしれない。
そう気づくまでに時間はかからなかった。
調停委員という第三者を介した話し合いの場であるはずなのに、その役割が果たせているとは考えづらかった。

そして次に届いた書面には、さらに理解不能な主張が並んでいた。
元夫の財産は見えないまま、それでも私への追及だけは続いていく。

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